◆2015.12.29(火) 

「鳥納め☆ハギマシコ~しあわせの赤い鳥」 天童市にて

 

カモやハクチョウやガンの飛来の便りがあちこちから届くようになって、あっという間に鳥暦は冬へ。鳥女のメンバーは猛暑の影響からか体調不良を訴え(それぞれがそれぞれのタイミングで)、なかなか集まれず。とうとう年越し~と思っていたところへ、若手マンバーより「ハギマシコ来ました!」情報。それ!と集合かけたものの、参加者は2名(山形市2名)2015年鳥納めということでポイントへ。

 

今年の山形は本当に雪が遅い。冷え込みもまだまだゆるい。雪の無いお正月ねと笑っていられるけど、鳥世界ではいろいろと異変が。ハギマシコも今年は遅い。普段は11月。タイミングは「雪が初めて積もった日」

 

ポイントに到着。高速道路の法面とその西に広がるたんぼに2,3日前に降った雪はもう無い。無理かなあと思いながら窓を開けて耳を澄ます。鳥の群れの鳴き声が風に乗って聞こえてくる。「!」とあたりを見渡す。法面にぽつんと立つ小さな木に小鳥が群がってる…でもどう見てもスズメ。スズなりのスズメにピンクのスズメが混じってないか目を凝らす。混じってるわけないか。スズメは50羽と30羽くらいの2群が、たんぼと法面を行ったり来たり。しばらく待ってみたけどハギのハの字も無く。

 

あきらめて本日の次のポイント、B沼へ。と、その途中にトラフズクの塒があったことを思い出し、そちらを先に確認することに。冬のトラフは実は初めて。春の営巣期にはよく見ていて、なんだか夏鳥のようなイメージが。冬の、こんな雪の季節にも山形で生き抜いているんだねえと感心しつつ、ポイントのD寺へ。思いの他小さなお寺。民家に囲まれている。こんなところに?と枝の間を透かしながら、一本一本杉の木を観ていく。改めて保護色なのを実感。と、T隊員が手招き。「いたあ!」寝てる~かわいい~。もう1羽いるとの情報に沿って探索を続行。まもなく幹をはさんですぐ近くにもう1羽見つけ!

 

寒さ対策か、ぷっくりふくれて丸い姿は「手のひらに載せて持って帰りたい(T)」…その思いを胸に、どうかひっそりとここで冬を越して、子どもたちを増やしてくださいませとその場を後に。

 

車から出てのトラフ観察ですっかり体が冷えてしまい、時計を見ればちょうどお昼時。確かこの近くに以前Y隊長から教えてもらったラーメン屋が。この時間なら少し並ぶだけで入れるかもと車を走らせる。狙い通り…いやそれ以上にすんなりとお席へ。暮れも押し迫った時にラーメン食べに来る人も少ないか?前回来たとき何を食べたか、思い出せない2人。今日は隊員の平均年齢、高いもんなあ。といいつつ名物の店名冠したラーメンと激辛ラーメン頼み、「本日の小どんぶり=牛筋煮丼」をシェア。食欲だけは若いもんに負けない…。

 

満腹し店を出ると外は激しい雪。うーん、と顔を見合わせ「本日これまで、だね」と即決。無理は禁物。B沼のほとりで年の瀬におばさん2人の凍死体が見つかってもなんだしね。と、ここで解散。

 

帰り道、ハギマシコのポイントに寄ってみたけど、やはりスズメの大群に押されてか現れず。後日情報では、毎年雪が積もった時期にここに現れるが、なぜか毎年幼鳥ばかりらしい。ハギマシコ小学校の修学旅行のコースになってる?幼鳥じゃあ、スズメのおじさんおばさんに負けるわ。また雪が積もったら来てくれるかしらん。

 

幻の赤い鳥、幸せの赤い鳥。ハギマシコの探索は年越しとなりました。



 ◆2015.9.1(火) 

「旅鳥のオアシス 、休耕田☆内陸でシギ!オオタカ急襲!!」 中山町

 

連日の猛暑で7月8月は活動も休止状態。そんな中、山形市近郊の休耕田にシギが入り始めたとの情報が流れ、皆さんそわそわ。内陸ではなかなか見られないシギの姿を一目でもと、個人的に夕方現地に通う毎日。夕暮れの休耕田は、一面緑のたんぼの中でひっそりと夜を待っていました。暮れゆく空と、たたずむダイサギ・チュウサギ・コサギ・アマサギの白い姿を鏡のような水面に写し、点在するイグサやトウシングサをゆらして日中の暑さを吹き払う涼風が吹き抜けてゆくと、白い鳥影も千々に揺れて…心地よいBGMでも聞こえてきそう。ここは間違いなく長い旅を続ける鳥たちのオアシス。

 

9月に入り、久しぶりに平日の日中動けるからと、10時に現地にいったところ鳥女の主だったメンバーが4名(山形市2名、米沢市1名、天童市1名)集合。(途中の須川上空ではカワウ150±が移動中)

 

車をブラインド代わりにして、望遠鏡でタカブシギタシギヒバリシギを確認。アオサギアマサギダイサギコサギの足元を今日はコガモが泳いでる。先日の雨で少し水位が上がった模様。遠くの鉄塔でチョウゲンボウが盛んに鳴き、トビがくるりと輪をかいて。

 

まだまだ夏の日差しにじりじり焼かれて、そろそろもう一か所のポイントに移動しようかと車に乗り込んだとたん、バッと羽音がしてコガモが一斉に飛び立った。おっとり刀でサギたちがふわふわ飛んでいく。「え?なに?あたしたち驚かせちゃった?」と顔を見合わせて誰もいなくなった水面を見ると、1羽呆然とたたずむ鳥が。なんと、あれはオオタカ。薄茶色の若鳥が呆然と飛び去るコガモを見送ってる。半開きのくちばしが何とも笑え、同時に同情も誘う。狩りは大変。がんばれ、若者!!

 

次のポイントではタカブシギがごちゃごちゃ(11羽+)。休耕田だけど稲の株が点在し、その陰を縫って採餌中。正面からの日差しがきつくなってきたので、そろそろ解散。

 

※この日のレポはそららさんのブログに詳しいです。



◆2015.6.30(火)

「ササゴイ・ヨシゴイ、ゴイゴイづくし ☆夏のスペシャル!チゴハヤも」

山形市北部~天童市

 

まだまだ子育てシーズン続きます。今回はササゴイの巣立ちに立ち会いました。山形市の北西部の河川敷。手すりもない、車一台やっとの橋を渡ってのドキドキツアー開始。参加者は6名(酒田市1名、寒河江市1名、山形市3名、米沢市1名)

ササゴイとゴイサギの違いを確かめるべく、まず親ササ探し。カルガモの親子(雛はもう少年期、中学生くらい?かなり生意気っぽい)に感動していたら、イカルチドリが中州で休憩中。と、さっそく親ササ発見!うーん、似てる、けど違う…。

対岸に移動して、いよいよササさんのお宅訪問。十分距離を取り望遠鏡にロックオン!…のはずがなかなか見つからない。茂る枝葉の間に目を凝らし…「あー!」と見つけた人から叫び声が上がる。「えー!」「わあー!」悲鳴に近い歓声の訳は、にょきにょきと並び立つ立派に育った雛の首。なんか恐竜?爬虫類っぽい??一斉に擬態した様はなんともはや。可愛いと言えば可愛い…。しばらく観察して次のポイントへ移動しようとまた橋を渡っていたらカッコウが飛んできてササさんちの上の枝へ。激しく鳴き出したので足を止めて観察しているともう一羽カッコウ乱入。そうこうしているうちにササひなたちがみんな巣から出てしまい、周囲の枝へ。これが巣立ち??かな??

 

次のポイントに向けて車を移動。乗り合わせようと外に出、空を見上げたら「あ、ツバメ」え?なんか違う。ハリオアマツバメ!しかも大群!!早い、すごい、かっこいい!!と、簗川隊長がバズーカ砲のような望遠レンズをとりだし、本気モードでで激写。早すぎて双眼鏡ではとらえきれない特徴をモニター画面でレクチャーしてくれました。

 

田んぼの中の小さなため池を囲む葦原がヨシゴイさんちとなっています。

昼日中にうまく見えるところに出てくれるかなとの心配をよそに、3羽ほど確認。風に揺れる葦に紛れてくつろぐミョウガっ子(首の後ろの色がミョウガ色してるのところんとした形がミョウガ風)に一同感動。手前の空き地にコチドリ、さっきのイカルチドリとの違いを確認。近くの電線に妙な小鳥…カワラヒワの幼鳥でした。

 

天童市のチゴハヤブサの巣の近くでチョウゲンボウも営巣。ムクドリも巣立ち、超にぎやかな神社の森。木立の中は涼しいけど、観察のために少し離れた路上に立つと、とにかく暑い!簗川隊長の黒光りする顔の理由を身をもって知るところだが…。帽子や手拭を総動員して紫外線対策に努めました。

ササゴイモズスズメハクセキレイツバメキジカルガモキジバトアオサギヨシゴイカッコウハリオアマツバメイカルチドリコチドリトビノスリチョウゲンボウチゴハヤブサハシボソガラスハシブトガラスヒヨドリヒバリオオヨシキリムクドリコムクドリセグロセキレイカワラヒワオナガ



◆2015.6.14(日)

「お宅拝見!コチー&サメさんち」県民の森

 

季節は子育てまっさかり。そっと見守るのが一番ですが、少人数でこっそりお宅拝見させてもらいました。

山形市西部の県民の森で、道路傍の駐車スペースの上にコサメビタキが営巣中とのことで、日曜日に集合。

参加者は4名(山形市2名、米沢市2名)連日の猛暑で体調を崩しドタキャンのメンバーも数名。

朝から雨予報でしたが、結局また猛暑。暑い中、木の瘤そっくりの巣の中でじっと卵を抱く母コサメ(たぶん)の姿に思わず手を合わせてしまいました。

巣にあまり近づかないように望遠鏡をのぞきながら、小一時間、森の端での定点観察。

ウグイスオオヨシキリに負けじとノジコが美声をはってくれました。木立の中をカワセミがオレンジとヒスイ色の弾丸のように飛び、徳でホトトギスツツドリが。ミソサザイアオゲラオオタカクロツグミトビイカルヒヨドリスズメキセキレイキジバトモズヒガラメジロホオジロハシブトガラス。途中の車中でヤマドリキビタキノスリ。

 

この後ひと山越えて会員のSさん宅の隣の空き地で繁殖してると情報のあったコチドリの巣を見に行く予定が、前日になって「どうも孵化してしまったのか、昨日から姿が見えず」との新情報。取りやめて途中の廃校になった小学校の裏山に数年前にかけたフクロウの巣箱見学。

一度朽ちてしまったのを地元の方が補修してくださり、最近まで使われてたそうです。その大きさに、町の近くではこれだけの樹洞ができる木なんて本当に稀なこと。フクロウがもっと身近な鳥になってほしいと切に願いました。



◆2015.4.14(火)9:30~13:00 

「ケリーに会いに行こう!」南陽市白竜湖周辺

 

県内では貴重なケリの繁殖地を訪ねした。参加者は4名(山形市3名、米沢市1名)。

白竜湖ではオオバン、コガモ、カルガモが泳ぎ、婚姻色鮮やかなアオサギダイサギをじっくり観察。

亜種ダイサギと亜種ュウダイサギが並んで飛んでいましたが、その識別点を教えてもらっても一同「…うーん」。ヒバリの声を聴きながら車で周辺の農道を走りケリの姿を探すことしばし。

ついに見つけた巣に座る一羽。そのそばで見張りにつくもう一羽。鳴き声につられて双眼鏡を向けると巣に近寄りすぎたカラスに単身攻撃を仕掛ける雄姿が。素敵だよ、ケリー♡

コチドリの声はすれども姿は見えず。お腹もすいたので赤湯名物・龍上海で辛みそラーメンで昼食(辛いのが苦手な隊長は醤油ラーメン)。

山形市内では開花宣言なのに、烏帽子山の桜のつぼみはまだ堅く。

食後白竜湖に戻り鳥合わせをして解散。22種でした。車に乗り込み帰ろうとしたら、道端に23種目ノビタキ♂成鳥と若鳥が羽色の違いをしっかり見せてくれました。