3日目【2018.4.1】 晴れ 6:00~12:30

【最終日・早朝】

 3日目、最終日。午後2時には那覇空港で搭乗手続きをしなければならない。 

 しかし、まだヤンバルクイナを見ていない人もいる。

 

 そこで真木さんと隊長は思い切った案を出した。『朝飯前に出発し、安田の集落に棲む個体にかける!』 

ということで、皆、眠い目をこすりながら早朝のやんばるの森にと宿を出た。

 

 朝の森はやはり違う。宿の敷地を出たところで、2号車がいきなりイノシシの一家に遭遇した。先行していた1号車に驚いて、側溝から飛び出したらしい。

 

 さあ、お腹をすかせたヤンバルクイナに会えるのか。

 

 もう、なじみになった感のある安田の集落も、まだ、まどろみの中にいる。

 

 ヤンバルクイナで有名になってしまい、多すぎるカメラマンとのトラブルその他で、村長が「カメラマン立ち入り禁止令」を発令したとのこと。三脚を立てたりせずに、通りすがりに観察する分にはOKだそうで、できる限り静か集落内を車で回る。いくつかのポイントを、順番を変えてぐるぐる、ぐるぐる。朝の光の中で、今度は地面に目を凝らす。

 

 どう考えても先頭の1号車が目撃する確率が高いということで、急きょ、車の席順を変えて乗り込んでいる。前夜、目撃している私は2号車の後部座席におさまっていた。

 

何 度目かの神社前に差し掛かった。神社に隣接した民家の前では早起きのおじさんが、せっせと落ち葉を掃除していた。1号車が神社の正面を通過して、その先を右折するか左折するか考えて一時停止したその時、数メートル遅れて続いていた2号車の左側座席から「え?」と声が上がった。釣られて皆が左側の神社の方を見る。15mほど先だろうか、ヤンバルクイナが1羽、神社の敷地の左端、民家の裏から3m程の草地を横切って、神社の裏山の藪に消えるところだった。裏山の裾には、白いごみ袋がいくつか並べられており、その後ろから藪に入ったように見えた。落ち葉の詰まっているらしいごみ袋は、おそらく、あのおじさんが運んであそこに置いたのだろうと思われる。完全にヤンバルクイナと動線が重なっているではないか。ほんとうに、ヤンバルクイナと共に生きているんだなあと実感。

 

 「えー、1号車、出ました。神社脇の…」トランシーバーに隊長が興奮した声で話している。「いや、もう、見えなくなりましたー」ああ、満を期して1号車に移った皆さん、ごめんなさい。 

ヤンバルクイナ確認の現場

画面中央に白いごみ袋が見える

 【最終日・午前】

 その後、宿に戻り、朝ごはんを食べて、チェックアウトして、やんばるを離れた。

 空港に向かう前に、潮の具合も良いので、漫湖でナンヨウショウビンにもう一度チャレンジ。

 漫湖は今日も暑い。干潟の泥の上では、シオマネキやトントンミーが運動会のようににぎやかに動いている。チュウシャクシギが抜き足差し足して歩いて行く姿を見ながら、この前ここに来たのは、たった48時間前だとは思えない。

 

 

 

 

漫湖にかかる橋の上を行く真木氏

【沖縄の味】

  最後のサプライズで、いつ、ナンヨウショウビンの青い姿が現れるかとドキドキしながら、隊長の指示で、昼食の店を携帯で探した。このツアーの初めに、那覇空港で隊長から「このツアーでは、鳥を見ることが最優先となります。ので、食事は2の次3の次、となりますので、よろしいですか」と念を押されていた。実際、2日間コンビニおにぎりで鳥待ちしながらの昼食だったし、朝、晩は宿の合宿メニューで、おかずにゴーヤチャンプルーやモズクはでたけれど、沖縄らしいものはまだ食べていない。ということで、沖縄最後の食事は沖縄そばの店に決定。ここから近くで、駐車場もあって、10人近い団体でもOKな店を探した。古民家風の「楚辺」で、それぞれ思案の果てに、沖縄そば、三枚肉ソバ、ソーキソバ、テビチソバを頼む。ああ、沖縄の味。

 

 さあ、後は我が家目指して、空港へ。

 空港へ行く前に、1人、もう少し沖縄探鳥を続けるという参加者と別れ、空港でこれから石垣島にいくという真木さん、ガイドで与那国島に行く簗川さんと別れた。すっかりこじんまりとしてしまった一行で降り立った羽田空港はすでに宵闇の中だった。